代替予選


大阪は、全国的に見て国体選手を決めるのが異例に早い。
GWの大会で各種目6名以内に絞ったら、5月中に10m・50mと2週を使って、原則一発勝負の2次予選をやって、代表が内定する。
何次にもわたって誰を代表にするのがもっともチームとして大きな戦力になるか、と探るところが多いようだが、その辺は潔くて、国体の代表は、一番強い人でなく、予選に勝った人がなる、という原則をずっと守っている。


これは、実績を問わず、ぱっといい成績を2次予選で出して代表になる可能性を残しておこう、代表を目指す気持ちをくじけさせないようにしよう、という意図が隠されている。
新しい選手が飛び出すチャンスを設けてあるわけで、これ自体はとてもいいことだ。実際に、秋田国体の年、私は2次予選で調子が悪く、そのとき絶好調だった学生のHくんに代表を譲ることになった。Hくんは、この経験を財産にして、今も射撃を続けてくれている。
しかし強化事業らしいことが何も行われず、射撃場が会員にも時間単位で課金されるような状況だから、新しい選手はここ10年ほとんど育っていない。


代表になかなかなれなくても、予選に出続けている選手たちを、励まし教えるような機会を意識して作っていかないといけない。ことあるごとそんなことを関係者には言い、自分でも考えてはいるのだけれど、なかなか効果的なことが行えないまま、もどかしく月日だけが過ぎている。


さて、今年の10m競技の2次予選は、今月23日に行われる。
毎年、何はさておいても、これに出場してきたのだけれど、今年は、同じ日に広島で行われる「西日本春季」という大会の方にエントリーさせてもらって、その成績で二次予選と代替させてもらうことにした。


協会の人や、他の二次予選出場選手には、大変申し訳ないことである。
他の選手の「育成」も意識しないといけない立場からすれば、矛盾する行動なのだが、特に今年だけに関わるちょっとした特殊事情がある。
今年は、ナショナルチーム選考会の時期が早く、8月末でランキング評価が打ち切られてしまう。1ヶ月くらい大したことがないと思っていたら、意外に対象試合の数が少なくなってしまい、社会人にとっては特に10mのランキング維持が大変になってしまった。
それでも3回のチャンスは確保されているわけで、そこで悠々と記録を出せればいいのだけれど、そこまでの自信もなく、ランキングの対象になる試合にできるだけ出ておきたい、と思ったのが代替予選を依頼した理由である。
友県の選手たちも、多数参加することを聞きつけて、同行できる心強さを得たこともこれを後押しした。


今日、大会事務局に書留で申し込みとエントリー代を送り、この週末の全日本選抜大会の宿舎には荷物を送る。
今年は、心中ひそかに目標も掲げて、積極的に「臨んで」いる。


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