府民体育祭


今日明日と、GW恒例となっている、大阪の国体予選を兼ねた大会である。
今日が50m種目の大会で、私は三姿勢120発に出た。「予選」的には6位に入りさえすればいい。


昨晩、新しい射撃ジャケットの補修をする。
そのままではストックに接してしまう、左手首の角をカットし、縫い直す。
それから、どうもフィットしない胸の部分をしっくり来させるために、ボタン位置も調整した。
練習をしたわけでも、きちんとスリングなどをつけて構えてみたわけでもないので、これで大丈夫とはとても思えないけれど、試すとしたら、失敗が許される今日のこの試合しかない。


会場に、予定通り8時ごろに着いて、さて、と用意を始めた瞬間、銃を間違えて来たことに気がつく。
しまった。
一斉検査で、ガンロッカーの中の銃の置き位置を変えてしまっていたらしい。
普段の1813でなく、最近使っていなかった1913の方を持ってきてしまった。


銃身のレールが違うので、持ってきているアクセサリー類がつかない。
フロントグローブが全部ダメ、ハイサイトブロックもフロントは使えない。
ボルトも、突っ込めば作動はするけれど、溝の有無があってあやしい。
グリップは、スーチャックさんと本格的に射撃に取り組みだす前に我流で加工した、やたら太くて上から握り下ろすタイプで、トリガーも、シューの形からまったく違い、重さや感触も随分違う。


このままでは、撃てない。


ひとまず、Sさんから、試合で使っていないフロントグローブとハイサイト1セットを借りる。
出番が次の射群のIくんに、2013のボルトを借りる。
姿勢交換の妨げになる、ストックの後ろの大ねじもあわててはずす。


フロントのマウントの高さが違うので、このまま撃つとおそらく相当に上下の弾着が変わる。
Aさんのアドバイスで、とにかくボアサイトをしておいて、サイトも使うのはそれ1個だけに決める。


新しい射撃ウェアをいきなり使うというだけでも、相当にむちゃでチャレンジングなことと、身構えていたのに、もう撃てるかどうかの瀬戸際になり、そちらへの心配が吹っ飛んでしまった。


撃ち始めると、やたらあらゆる感覚が新鮮だったが、銃器の方はなんとかなった。
深刻だったのは、やはり新しいジャケットの方だった。


私はジャケットの不自然な引きつりを除く方に重点を置いていて、伏射でも膝射でもボタンをまったくかけずに構えるのだが、それでも伏射ではジャケットが首元に競りあがってくる。
バットプレートを当てる右上肢基部が、どの姿勢においても体幹部分を覆う生地から出る大きな皺で隠れてしまい、当てたいところに銃が当たらない。無理に当てると、身体から遠ざける方向に銃を押し出してしまう。


ねじ伏せるようにして必死で撃ちきる。
379・354・374の1107点だった。銃器のことといい、射撃中のジャケットとの格闘といい、撃っている最中のことを思えば健闘したと思う。
・・・しかし、このままSBの調整せずに週末の全日本選抜に行くわけにはいかない。
明日は10m種目を二つ撃つが、その後か、あさってに、一度は練習しないとこれはだめだ。


試合後に相方の実家から家に取りに帰るのは、ちょっと言い出しにくいし、夜も遅くなる。
往復3時間強かかるが、120発競技の第2射群をやっている間に、ライフルと練習用の弾を家まで取りに行くことにする。
表彰式になんとか間に合って帰らなければならない。


昼食休憩だけは最小限取ったものの、120発を撃ってすぐの強行軍はかなりきつかった。
帰ってきてみると、3時間半強が経っていたが、表彰式はまだだった。・・・間に合った。


結果はもちろん出ていた。
おそるおそる覗いてみると、3位に入っていた。
これで一発勝負の二次予選に一応進むことができる。
やれやれ、である。


[fin]