OB総会


大学射撃部のOB総会の日だった。
会長が代わり、会場も前回から学生会館に戻った。


相方の実家へ昼前に移動してから、電車で向かう。
JRで京都、さらに東福寺まで行ってから、京阪に乗り換える、という方法には、前回少し戸惑ったが、もう大丈夫だ。時間を合わせて出かければ、この方法は楽で確実である。


たいした式次第でもないのだが、前会長から現会長に、あまり実務的な引継ぎはなかったようで、何となく手探りのような具合で会議がはじまった。
OB会は、ここ数年、財政的に危機的な状況になっている。


もともと、このクラブのOBは、「現役の活動現場に口も出さないが、顔も出さない」ことを美徳としていて、OB会は名簿と部誌の発行・発送のほかは、できる範囲でこっそり少し金銭的に支援する、くらいの活動しかしていない。
新しくOBになる層に、その存在感が伝わっていないために、新しく会費を払うOBが増えないままに推移。支出がつましいので、納入率が芳しくないことを問題視しながらも抜本的な手を打つことなく進んでいるうち、ついにはそのつましい支出にも耐えられないような状況に陥ってしまった。


最近になって、大学では新しい取り組みとして、体育会クラブOB会の連絡会が行われた。
出席してきた会長の報告によると、OBからの財政的支援があって、はじめて活動ができている、ということが現役の部員に明確に伝わっているクラブは、相当にしっかりした納入率を保っている一方、うちのような、存在感のないOB会は、同様にことごとく運営の危機に瀕していることがわかった。


急にいいアイデアが浮かぶわけでもないが、OBに向けては、学年幹事のようなものを設けて、横のつながりを楽しみにできる工夫をする一方、現役には、OB会の支援で購入してきた公用物品(公用物品のほとんどがOB会のお金で購入されている)にせめて購入年度とOB会寄贈のラベルくらい貼って行ってはどうだろうか、というような話になった。


会議室を借りていた、2時間はあっという間に過ぎ、OB組だけで喫茶店に場所を移して、少し続きを話し合った。


今回の会長交代は、比較的大きな世代交代で、部やOB会草創期の、混沌としつつもそのときの親睦意識だけですべてがあいまいに運んできた時期の人から、それをどうしようか、とはらはらする世代に役職が降りてきた。
具体的でぴんとくる議論になった点を、心の中で歓迎している。


意見交換の中でも出てきたが、来年は、もっと現役部員との距離を縮めて、練習場に現役のミーティングと連続させた総会にし、「集まること」に楽しさやなつかしさのある総会にできたらいいと思う。


[fin]