新しい射撃ジャケット

新しいジャケット



このブログでも内容を紹介している「ISSF NEWS」にもあったように、2005年以降、射撃で用いる衣類の硬さや厚さについての規定適用が非常に厳しくなった。
私は、適用基準が大きく変わった際に真っ先にジャケットを作り直して、それでずっと撃ってきた。
「対応型」としては初期型だったものの、ずっと検査にはパスすることができた。


ただ、ズボンは、ベルト通しの幅が広い、と指摘を受けて切り落とさなければならなかったし、ウエスト部分の厚さ検査にそのままでは通らず、測定器の円盤が中に入るように中央に切れ目を一文字に入れなければならなかった。
硬さについても、その後に改良が重ねられてきた「対応型」に比べると、基準ぎりぎりになることもあり、どこかで新しいものに切り替えておきたいと思っていた。


韓国製の「マークスマンズハウス」というメーカーのジャケットをこれまで通算で3着作ってきているが、現在使っているものは、韓国まで作りに行ったトップ選手に採寸表を託して、ノーマルならバックスキンになる右腕基部にトップグリップを使ってもらったりした、ちょっとした特注品である。


3月に石巻まで全日本選手権に行った折、同郷のS選手とそんな話をしたところ、大会後に韓国までちょうど新調しに行くところだ、と言うので、急ではあったが家に帰ってすぐ採寸表をFAXで送り、一緒に発注をお願いした。
Sさんは現地で作ってもらって、現物とともに帰国してきたのだが、私のも約1ヶ月で完成し、実家の方に4月21日には着いていた。


今日、ようやく実家に立ち寄ることができて、早速開梱した。


私が射撃に向いている部分を挙げるとするなら、それはまずは体型があまり変わらない、ということだろうか。
同じ採寸表で、3着目。採寸したのは2001年である。
1着目と2着目は、ほぼまったく同じ作りで仕上がってきた。
「コート合わせ」の作業不要で、届いた直後から、同じように撃つことができた。


今回もそれを期待していたのだが、ぱっと着てみたところ、どうも腕の基部がフィットしない。射撃姿勢をとると胸の部分が浮き上がってしまうような感じがある。
同じ採寸表を使っているだけあって、パーツの寸法などは目で比較する限り、違いがないのに、どうしてこうも着た感じが違うのだろうか。
随分と、材質や厚さが変わっている。キャンバスのコットン率が下がって、ポリエステルが増えたのだろう。ごわごわしっとりしていた手触りが、つるつるぺらぺらになっている。極端に言うと薄い樹脂のような具合で、ある形で落ち着く感じがなく、加えた力を除くとぺろんと元の形に戻りそうな手ごたえがある。
点で測定する硬さ検査にはやわらかいことを示す数値が出そうだが、身体とのフィット感からいうと、「かたい」印象すらある。
パンツのウエスト周りは、驚くほど薄いつくりになっていて、なるほどこれなら規定上問題ないだろうと思わされる。


さっと着てみた印象だけだが、この、新しい「かたさ」はパンツにはいい方向に出ていて、数値上やわらかいのに、サポート力はアップしたような感触がある。
ジャケットの方は、すぐに試してみるつもりだが、ちょっと不安だ。
前のジャケットにも施していたように、手首の部分がスリングやストックに触れないようにする加工を急がなければならない。


[fin]