JISSへ

アスリートビレッジの部屋



明日、味の素ナショナルトレーニングセンターで、学生連盟主催のアドバンスワークショップが開かれる。
その講師役と、このワークショップに合わせて、JISSで行っているプロジェクト選手の練習合宿の指導を兼ねて、今日昼過ぎに東京に向かった。


今年はいつになったら暖かくなるのだろうか。
朝晩などはまだ冬の気温で、相変わらず防寒用のジャケットを羽織らずにいられない。
いつまでも気温が上がらず、葉桜になってから霜が降りたりしたために、梅の農家などは幼果が落ちてしまい、収穫ゼロも覚悟しなければならないというような、ひどいことになっている。
東京は昨夕雪が積もったとかで、蓮沼駅を降りてトレーニングセンターに向かう道の脇にも、植栽の陰に雪が少し残っていた。


JISSの地下の練習射場に降りると、片づけをするコーチと選手がいた。
夜間の練習前に夕食を摂りに出かける。


JISS・ナショナルトレーニングセンターはこれまで何度か来ているのだが、複数の大きな施設がいろいろなフロアでつながっているちょっと複雑な構造には、いまだに慣れない。
久しぶりに来ると、食事場所にたどり着くのにもひと苦労する。


いつもいろいろなスポーツの国内トップが何かしら合宿をしていて、食事時はそれらの人を見かけるのがちょっとした楽しみである。
今回は、卓球の女子チームやフェンシングチーム、新体操などが合宿をしているらしく、福原愛選手や石川選手を見かけた。


これらの選手と比較して、と言う訳でもないが、どうもうちの3人の選手は頼りなく映る。
食べていると、明日、ともに講演しなければならないIくんも仕事を終えて駆けつけ、今回のメンバーは勢ぞろいした。


夜の練習では、驚くほど基礎的な技術内容に欠落があることを発見することになった。スタートからじっくりやればいいのだが、少し衝撃を覚える。
今年度のプロジェクトについては、新しいメンバーが決まった時点であらためて取り組み方と方向性を確認しないといけないな、とコーチ陣で話し合った。
21時に練習を終え、すっかり人気もまばらになった玄関で解散する。


今日施設に宿泊するのは、私とI君と3人の選手だけである。選手たちとはフロアが違い、I君以外とはばらばらになった。
初めて立ち入った、アスリートビレッジの宿泊設備の豪華さに二人で驚いた後、明日のワークショップと今年度の強化事業の内容について、部屋でいろいろ話をした。


二人とも、明日についての情報が少なくて、とても不安に思っている。
どんな会場で、どんな人が聴きに来るのか。
その次には、9月の海外遠征に向けて(いつものこととはいえ)、現時点では不確定なことだらけであることを不安に思っている。その時々の判断と調整で一気に決めてはこなす、ということになるのがわかっているが、そのために今の時点で何をしておけるか、について話をした。プロジェクトについても、今後一筋縄ではいかなさそうだ。


明日への緊張だけでも、相当なものなのに、お互いにさらなる不安を掘り起こしてしまい、せっかくのいい部屋も、居心地の良さを十分に楽しめないまま眠りについた。


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