イントラネット切替


昨日は朝8時前から職場に入り、事前の予告どおり全職員にPCの使用を我慢してもらって、早々に作業に取り掛かるも、昨晩は、夜10時を前にギブアップとなった。


机を再配置しながら、床をはがして下の配線をほぼ全面的にやり直し、使いまわしの機材をやりくりしてケーブルを這わせ、PCを新しく配置する。
これらの設置作業や、データの移動・配置作業は予定通りに運び、暗くなるころにはメインとなる部屋のセッティングはほぼ出来上がっていたのだが・・・。
いざプリンターを接続してドライバ類のインストールをしようとすると、ネットワークがつながったり切れたりする。
どうも接続する島を増やすのをきっかけにダウンしたようで、サーバーのイベントビューアーを開くとIPアドレス重複のエラーが出ていた。
「それならば」とエリアを狭めてサーバーを立ち上げなおしてみたが復旧しない。
各種設定を、わからないなりに覗き込んでみたり、できる範囲で相当に試行錯誤したが、どうにも一向に進まなくなってしまった。
業者に問い合わせるにはもういくらなんでも遅すぎて、今日に持ち越すことになったのだった。


今朝来てみると、夜のうちに今度はサーバーのIPが飛んでしまっている。
イベントビューアーをあわてて確かめなおすが、昨晩20時すぎ以降、IPのエラーはなし。
職員には事情を説明して、もう一日PC使用について我慢をお願いする。


今回の機器導入も担当した、学校ではなじみの業者に、朝9時になるのを待って電話する。
システムすべてが新規導入だったら、すっきりした話になるのだが、今回は特殊な事情があって、既設の設備に乗っける形で設置しており、既設部分については設置業者が手を出すことができない。
しかし、状況をいろいろ説明していくと、「やはり、単純にIPのバッティングが怪しいのではないか」と説明される。
いったんバッティングすると、そこをはずしてもすぐには復旧しないし、バッティング状態が続くとサーバーのIPアドレス自体が飛んでしまうことも、現象としてはあることだという。


原因を探る方法をいくつかアドバイスしてもらって、あとは自分たちで何とかするしかない、ということになった。


この見当が当たっていれば解決できるかもしれないが、外れていたらずっと解決できないかもしれない。
この時点では、ある意味目処が立たない、ということだったのだが、この際はできることからやるしかない。「IPが怪しい」というなら、しらみつぶしにやるだけだ。
「…まったく、オクテットの最後の番号なんかサーバーに当てるからこういうことになるんだ」、
と内心では悪態をつきながら、サーバーと同じIPを持った機器がどこかに潜んでいないか、探しまわる。
弱電設備内に設置されている、部屋間を接続するハブの電源を落とし、サーバーもネットワークから切りはなしておいて、エリアを徐々に狭めながらpingテストを繰り返す。


「敵」は意外に近くにいた。
今回の新機器設置に当たって配分されたハブでは足りなくなって、既存のネットワークから転用したハブが、ルーター機能を持っていて、サーバーと同じIPアドレスをデフォルトで持っていることがわかる。
「解決!」と思って喜んでいたら、部屋間をつなぐハブを復旧させたとたんに、またダウン。
異なるエリアで、再び同じ包囲作戦を取って、もう1台発見。ようやく安定した。


わかってしまえば、何ということのない、つまらないことである。
ルーターつきのハブは、散々怪しんでマークしていたし、どの島をつないだらダウンしたかも、後で振り返ってみれば、まさにそのハブのあるところをつないでからのことだった。
経験のない現象や問題を前にして、いろいろな可能性を考えようとしているときには、本当にわからないものだ。
今後、同じような場面に出くわしたときには(もう二度とない可能性が高いけど)、もっとうまく切り抜けられると思う。


問題が片付くと、その後は作業は順調に進んだ。
サーバーにドライバを入れた後、片っ端からクライアントで登録し、認識させる作業をしてもらう。
私は、せっせとコード類を美しくまとめる作業に取り組む。


とりあえず職員に引き渡さなければならないので、私自身がろくに作動させていないシステムについて、簡易の利用説明書を2ページ程度に大慌てでまとめた。定時の退勤時刻15分前の17時に、残っている職員を滑り込みで集めてもらって、説明会をした。
これで、ひとまず新しいネットワークを、みんなに使ってもらうことができる。


今後このシステムについては、いろいろ試してマニュアルを作り、4月に入ったらすぐに、ちゃんとした説明会をしなければならないが、今回の切り替え騒ぎは、ひとまず一山を越えた。


[fin]