車の点検


我が家のパレットが、満1年を迎え、1年目点検に出さなくてはならなくなった。


昨年末に、親子3代でお世話になっていた、ディーラー兼整備工場兼保険代理店が、不況のあおりを食って副業を失敗し、あっけなく倒産してしまった。そのため、これまで大して深く考えもしなかった、車検や点検、保険のことなどについて、この春は1から考え直さなくてはならない。
このたびは、先に時期が来た「点検」について、考えることになった。


今は、保育園の送迎で圧倒的に相方がよく使うので、その送迎に与える支障が小さくなる方法を考える。
経路から近いところを、ということで、整備工場を持っているガソリンスタンドも考えたが、結果的には、経路に最寄のスズキ・アリーナを選んだ。
相方が実際に行って話を聞き、どうするかを決めた。
その内容が、長らくお世話になってきた、倒産したディーラーの整備士さんからいつも言われていたこととよく似ていて、これまでと変わりなく任せられる感じがした。今回の選択でよかったと思っている。


車を点検に出すと、1日だけだが代車に乗ることになる。
今回は、白い新型のワゴンRだった。


このちょっとした事件への娘の反応が、しっかりしていてびっくりした。
朝はパレットで送っていって、夕方に代車で迎えに行ったわけだが、第一声が、
「○○の車どこいったん?」
だったという。


保育園の子らは、できるだけ自然物に触れるようにと、プラスチックや金属のおもちゃなどから遠ざけられた生活をしているためか、送迎の主役である自動車への関心がやたら高いらしい。
1歳2歳でも、誰の車がどれか、ものすごくよくわかっているし、車のディティールに対する見分けもとても正確で細かい。
ちょっとホイールが変わったり、ステッカーがついたりしただけで、「変わった」、「ついた」と話題になるという。


娘は、同じ園の子に、代車とおなじ白色のスズキ車に乗っている子がいることがぱっと頭に浮かんだようで、第一声に続いて、
「なんで△ちゃんの車借りたん?」
と来たという。


思わず相方が、一人前の大人にするのと同じように事情を説明すると、不満げに「ふーん」、と唸った後、
「いつもどってくるん?」
と尋ねたというので、おかしくて笑ってしまった。


まだ言葉のおぼつかない、同じくらいの年齢の子供同士で、
「うちには犬がいる」
「うちには畑がある」
「うちの車は・・・」
とやっているというから、本当におかしい。


ぬいぐるみを指して言っているのか、見栄を張って、というのがあるのかないのか、娘も、
「うちには犬がいる」
と言ってるというので、相方は、
「おさかながいる、って言ったら」
と娘にアドバイスしたりしている。


何気なく毎日乗っている、というのではなくて、「自分の車!」という意識を普段から強烈に持っているということや、それが不在になると気になって仕方がない、ということが今回の一件でよくわかった。


娘の心配をよそに、車はちゃんと翌日戻ってきた。
大した部品の交換もなく、良好な状態であることがわかり、ほっとしている。
次は、自動車保険をどうするか、考えなくてはならない。


[fin]