VAIOが帰ってきた

Powerbook G4



ソニーのカスタマーセンターに修理に出していたVAIOが、戻ってきた。
フレームは高いよ、と脅されていたので、どうなることかと思っていたら、ほぼ3万円で直ったので、ほっとした。
ヒンジの部分は8千円程度。ディスプレイ部の中に、交換の必要な箇所があった方で、お金がかかったようである。
インテルやセントリーノやマイクロソフトのシールが、修理の際にリセットされるので、部品は変わっていないのに、つるっとしてきれいになった感さえある。
外側のロゴの入った部分は新しい部材になったため、外見は新品になったみたいだ。


VAIOの不在中は、MacintoshのパワーブックG4を久々に持ち歩いていたのだけれど、ちょっと重くてバッテリーの持続時間が短い。こちらにも愛着はあるものの、戻ってくるとやはりVAIOの方を持ち歩くことになる。
愛用しているのは「Xpでワードパッド」という、まあスペックも何も関係ないようなそっけない環境だが、「車内ではこう」といつの間にか決まってしまったスタイルは、どことなくああ、元に戻った、と安心する心地がする。


普段、持ち歩くPCはこのように、ただテキストエディタとして使うだけなので、求められる性能はさして重要ではない。
パワーブックでもワードパッドがテキストエディタになるだけのことで、今でも日常的にはちっとも困らない。


このパワーブックは、OSが10.3のタイガーのままである(それでも購入したときはジャガーだったので、一度バージョンアップした)。
CPUの性能からいって、これ以上はバージョンアップが裏目に出ることが考えられるので、これでいいと思っているのだけれど、先日の全日本へ遠征に帯同させたら、ネット接続で困ってしまった。


Safariのバージョンは、タイガーでアップできる上限のバージョンにしてあるのだが、とっくにアップルの対応は終わっていて動かない。
Firefoxの3以降も、タイガーには入らない。
HDに残っていた、IEのマック版5.5という、今や古典としか言いようのないブラウザが、唯一作動したが、今のwebページはろくに表示できなくて、ほかのブラウザをダウンロードすることもできなかった。
結局遠征中も、ただのテキストエディタiTunesのプレイヤーとしてしか使えなかった。


タイガーのままでネットを安全に利用する方法は限られていて、一般的には「Operaを使えばいい」ということのようだ。
昔から、Operaの先進性・優秀さは耳にしつつ、使う機会がこれまでなかったのだが、こと今回のような苦境に直面して、家のMacで最新版のOperaをダウンロードし、パワーブックに入れてみた。


軽快で美しい。
OSのバージョンの古さに合わせて我慢している、という様な部分は、素人目にはまったく見当たらない。
むしろOperaを動かしてしまった後になっては、どうして他のブラウザでは、早々に対応を打ち切った上に、Operaほどではないのか、と思ってしまうくらいだった。
実家の電気スタンド型iMacもタイガーなので、早速Operaを入れる(こちらはFirefox2の最終バージョンでネットを使っていた)。


高度な処理をする必要に迫られて、PCを買い換える、ということは、一般的な家庭ではあまりなくなってきている(と思う)。
もう電気スタンド型iMacは10年選手だが、写真データの処理くらいであればたいして困らずに使えるし、マック版のOfficeXが入っているので、仕事上も十分だ。
新しく「したいこと」が出てきて、性能が追いつかなくなる、というよりも、今までやってきたことと大して変わらないことを、単に美しく華麗にするための新しいソフトが高いスペックを要求するから、性能が追いつかなくなる、というのが最近のPC事情である。


することがはっきりしていて、それができるかどうか、というところで動いていれば、世間の買い替えの波に「知らぬ存ぜぬ」で、相当にやっていける。
しかし、ネットの環境変化に対応できるブラウザがなくなってしまう、ということになれば、これは残念ながら買い替えの動機になるかな、と覚悟していた。
今回、Operaでそれが見事にクリアされてしまうと、「まだ大丈夫だなあ」ということになる。
機械自体に愛着を感じる私たちにしてみれば、うれしいことである。


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