2010年 元旦


年が明けた。
娘は、きちんと6時過ぎに目覚め、元旦もきちんと朝から起き出した。


大きな節目を挟んだが、サロンパスに頼る日々に変わりはない。規則正しくはあるが、体調はあまりよくならない。


雑煮で新年を祝い、娘と二人で散歩に出かけた。
一番近くの公園でひとしきり遊んだが、少し足を伸ばそうと、バスの停留所を通りかかたら、ちょうどバスが停車していた。「バス乗る?」と娘に持ちかけると、「乗る!」と言うので、そのまま乗り込んだ。
その場の思いつきだったけれど、自宅に届いている新聞や年賀状を取ってくるのにちょうどいいな、と気がついたのだ。


住宅地から駅へと向かうその便に、ふたりで乗り込んだ当初は人影がなく、発車間際になって2組ほど乗りこんだだけだった。人のまばらな車内で、娘はいろんな歌をうたい、ご機嫌で流れる景色を眺めている。


曇りの予報だったが快晴になり、新年の朝の静かな景色と澄んだ青空が、とても気持ちいい。
終点で降りて駅をくぐり、娘を抱いて、初売りに賑わうショッピングセンターを抜ける。
自宅に着くと、年賀状が届いていた。部屋に上がって、昨夕干した洗濯物を取り入れる。
娘は、玄関にひとり座り込んで、うれしそうに年賀状をより分けたり揃えたりして遊んでいた。
「もう一回バスに乗るか」、と促すと、「乗る!」、と嬉しそうに立ち上がった。


再びバスに乗って実家に戻ると、ちょうど娘が昼食を摂るのにいい時間だった。
食べると娘は昼寝の時間だ。
眠いのに、寝たくない娘をすんなり寝付かせるために、少しドライブする。家を出て数分で夢の中。
娘の昼寝の最中が、ほっとできる貴重な時間だ。
両親、相方とお茶を飲み、一息つく。


正月休みらしい、短いひとときを過ごしたのもつかの間、夕方には、起き出した娘を乗せて相方の実家に向かう。
今年は、元旦から三が日が金土日、という暦で、4日には仕事始めになるところが多い上、学校はインフルエンザ禍で休業が相次いだために、どこも軒並み冬休みが短縮されている関係で、親族の集まれる日が異例に少ない。
年が明けても慌しい、今回の冬休みである。


相方の実家には義兄たちの一家も来ていて、子ども中心の、にぎやかな正月だった。着くと早速、お年玉が飛び交う。
相方は、姪・甥にそれぞれ、先日から順番に用意してきた絵本や本をプレゼントした。
年末年始も普段に輪をかけて大忙しの噺家の義兄も、仕事後短時間ながら駆けつけて、一家で記念写真を撮った。


いとこ同士で集まれる期間は、人生においてそうは長くない。
母方の実家ににぎやかに集まっていた、私自身が幼少の頃の数年間をふと思い出した。
そこで中心だった、大叔父、大叔母、祖母など、随分多くの人がもうこの世にはいないことを改めて思い、時間にしてほんのわずかだったのだけれど、懐かしくその人々の様子を思い浮かべた。


[fin]