餅つき大会


土曜日の今日は朝から保育園の餅つき大会だった。


当初は、片付けや年賀状の準備など年末年始に向けたことが手付かずなので、私は家でそういったことをしようかと思っていたのだけれど、週末の園行事をことごとく射撃や仕事でパスして来ているし、行事の性格上、お父さんたちの出番でもあるのかな、と考えて、三人で保育園に向かった。


土曜日とはいえ、運動会のときとは違って今日は、朝からリズムや歌をきちんとやり、給食もある、という普段どおりの動きをしている。娘たちが普段どんな風にしているかが見られたり、お湯や蒸したもち米を取りに行く際に、給食を作ってくださる厨房の様子が見られたりしたのが新鮮でとてもよかった。


餅つきは、前の職場では学校行事として行われていて、そこで係なんかもしていたから、だいたい流れやするべきことはわかっている。
ただ、そこでは搗いたり捏ねたり丸めたり、ということについては、他にスペシャリストみたいな人がたくさんいたために、あまりする機会はなく、腕に覚え、みたいのなものはあまりない。
今回の場合、行事の段取りは保育園の先生がやるし、お父さんたちに期待されるのは、どちらかというとそういう「腕の覚え」の方だったりするもので、何となくちょっと困ったようなかんじで恐る恐る手伝う、といった具合になった。


搗く直前直後の臼の世話をやっていると、子どもにバトンタッチするまでの搗き手や捏ね手は順次交代するので、2臼目で搗くことになり、3臼目で捏ねることになった。
捏ねるのは初めてなので、捏ねたり水をつけたりするのは見よう見まねで適当にしかできないのだが、子ども相手に盛り上げるようにヨイショ!そら来た!もういっちょ!と合いの手を入れる声かけは、お父さん仲間の中では、まあ言わば唯一の「本職」みたいなことになる。
内心で「なんだ、すごい上手じゃないか」みたいなことになったのかどうだかわからないけれど、その後、搗き手は交代しても、捏ね手は誰も代わろうか、ということにならず、最後の6臼目までずっと務めることになってしまった。


きな粉や胡麻、あんこ、大根おろし、と、傍らの女性部隊がもちをちぎって丸め、いろんな加工をして子どもたちに順番に食べさせる。
みんな、ずらっと縁に並んで座り、交代に搗きに出てきては、先生と一緒に杵を振るい、それを一緒に声を上げて応援しながら、出来上がるのを待ち構えている。1歳の娘も、園長先生と一緒に杵を握り、少しの間だが親子で餅つきをすることができた。餅が搗き上がるたびに歓声が上がり、もらった餅をうれしそうに頬張る。
子どもたちにはあんこが人気かと思いきや、意外に胡麻が大人気だった。


私たちも出来上がるたびにひとつずついただくので、ずいぶんたくさんの餅を食べたことになる。
片付け終えるとお昼時で、子どもたちが給食を食べているのを横目に、隣接した隣棟で親たちも、子どもたちが食べたのとほぼ同じ給食をいただいた。雑煮と煮野菜を一通り食べると、本当にお腹がいっぱいになった。


素敵な暮れのひとときを親子で過ごすことができて、とても豊かな気分で帰路についた。
ただ、かなりの時間、中腰で威勢よく餅を返し続けたので、後で疲れが出そうな気がする。


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