クリスマス前の休日

ケーキ作り



昨夜、職場の忘年会があり、久しぶりに飲んだ。
徐園、という昔からある大きな北京料理の店が会場で、幹事がいろいろ店と交渉して料理にこだわったという食事は、なかなか見事でとてもおいしかった。
恒例のビンゴ大会も、職場に隣接するショッピングモールのお歳暮の発送サービスや電器店の目玉商品を活用して、賞品が後日配送される仕組みで、その内容も凝っており、とても楽しかった。
こういうゲームは、参加するだけで楽しいのだけれど、今年は本当に珍しく2等なんか当ててしまって、しかも賞品が自分の好きな魚卵のセットとあって、びっくりした。


今日は天皇誕生日。明日はクリスマスイブである。
娘は、実家に飾ってあるクリスマスツリーを見ながら母から「サンタさん」について話を聞いたらしく、何となくそういう名前の大きな行事があるらしい、ということを知っている。
今、こうしてツリーが飾ってあっても、「その日」はもう少し先のことである、ということを教えられて、
「○○ちゃんのサンタさんは、まだ」
と、口癖のように言っている。


相方の実家に何冊かあって、この間借りて帰ってきた、絵本のノンタンシリーズが最近一番のお気に入りだ。
ノンタンのたんじょうび (ノンタンあそぼうよ (9))
ノンタンノンタンの、たんじょーびぃ」という具合に、音で各ページを覚えてしまって、ひとりで大きな声で読んでしまうほどになっている。
この「ノンタンのたんじょうび」という絵本で、「たんじょうび」というのが、みんなにお祝いしてもらえるとっても楽しい日で、クッキーやケーキを作ってみんなで食べるのだ、ということを学習した。
自分にも「その日」がくるらしいこと知っていて、なんだかとても楽しみにしている。


「−はまだ」というフレーズは、自分の誕生日についてさんざん質問して、「○○ちゃんのはまだ」ということばが膾炙しているからだろう、ほかでもよく出てくる。


先日、相方と娘が買い物に行ったときに、本屋に立ち寄ってみたら、ずらりと絵本が並んでいる様に大興奮だったらしい。
なにかひとつ、ということで、この時期ならと「ノンタン サンタクロースだよ」を買ってきた。
ノンタン! サンタクロースだよ (ノンタン あそぼうよ7)
早速その日のうちに5回以上繰り返し読まされて、今では、寝る前に取って来る数冊の中に、かならずこの1冊が入っている。
そんなわけで、どうも「クリスマス」というものがどういうものかも、彼女なりにある一定の「理解」に到達したようである。


この絵本では、うさぎのサンタはうさぎさんのプレゼントを運ぶけれど、ネコのノンタンのプレゼントを持ってきてくれることはない。くまのサンタも、ぶたのサンタも、それぞれくまくん、ぶたくんにプレゼントを持っていくけれど、ノンタンのプレゼントはねこのサンタでなければ駄目なのだ。
ノンタンは、いろんなサンタに会うけれど、自分のプレゼントはもらえない、という失意を繰り返し、眠りに落ちる。
サンタはこどもが眠らなければやって来ない。寝入ったノンタンのところに、ちゃんとねこのサンタはやってくる。
朝、目覚めて、プレゼントに気づいたノンタンは、前の夜にプレゼントをもらうところを見て、うらやましく思っていた、ほかの仲間たちと一緒になって喜び合う。


これまでも彼女なりに類推を働かせて、きっとあの「おたんじょうび」とおなじように、ケーキかなにかを食べる楽しい日、という期待は持っていたようだけれど、この絵本で、「サンタさん」というのは、なにか子どもにプレゼントを持ってきてくれる「人」のことらしい、そのサンタさんはたくさんいて、自分のサンタさん、が来てくれるかどうか心待ちにするものだ、ということがわかったようだ。


今日は、クリスマス前の休み、ということで、相方がふたたび家にある材料でマクロビケーキに挑戦した。
今度のレシピは、クリームなしの、果物を煮詰めたのをメインにしたちょっとプルッとしたものだったのだけれど、娘がどうしても「クリーム」をリクエストするので、白味噌ベースのホイップも作った。
ポン煎を使わなかったので、ホイップの舌触りは滑らかになったけれど、レモン汁の酸味が味噌と強め合うみたいで、ちょっと酸っぱめになった。


それでも大喜びで、絵本を開いては、「いっしょだねぇ」と感激していた。
我が家のクリスマスは、これで十分に済んだような気がする。


[fin]