ランクリストマッチ始まる


今晩はIくんの結婚を祝う忘年会があるということもあって、今月のランクリストは土曜日に2度撃つことにした。


先月末の選抜で50mは撃っているものの、それ以外は触れることもできないまま今日を迎えてしまった。
11月第1週から週末がすべてなにかしら試合やミーティングの予定で埋まり、ここのところ仕事も重苦しい議論の渦中にいたり、鬱々として疲れている。
それでも、確かめたいことを抱え、撃てることの喜びで、前日の間に相方の実家へ移動を済ませ、朝からいそいそと能勢に向かう。


全日本の本戦終盤からファイナルにかけて掴んだ、撃発を「自覚的に」、自動化に委ねる方法と、今年度の終盤に試行錯誤がようやく実りつつある据銃における軸の作り方が、今日確かめたいテーマである。


例年、ランクリストといえば寒さとの戦いでもあるのだが、今年は曇り空も幸いしてあまり寒くない。
8時過ぎには会場入りして、同じく早く来たAさんと話をしながら用意する。
若干、参加者は少なめで、10ほど射座には余裕があるようだ。


1回目、構えるのが久しぶりで、少しプレパレーションタイムはごそごそする。直前にノートを見直して、「どうせ最小限のことしか出来ない、体調もよくないし」、と割り切ってポイントを絞ったのが幸いし、99 99 100と滑り出す。
構造を理屈でチェックするのを最小限に抑えて、バランスを感じ取って「答え合わせ」する方を優先したのが、当たったといえる。


しかし、3シリーズを終えた時点で、なんだか疲労感があって、このままは続かないな、という状態になった。
スピードは上々で、時間はあったため、仕方なく休憩を入れる。
その後は再開するも、疲れが増したようになって、軸を作って静止する、というのがすごくエネルギーを使わないとできないような感じになってしまった。
まさかまさかの大失速で97 96 96。終わってみれば587だった。


まあ、「師走の疲れ」というのもあるのだけれど、これは前半で幸いしたかに見えた「感覚優先」の、諸刃の剣的な一面が出たのだなと、後で思った。
感覚を澄まして「答え合わせ」する作業は、非常に疲れを招きやすい。
前回と間が空いていて、「型」のようなものがちょっと曖昧でわからなくなっているために、これに頼らなければならなかったわけだが、疲労による失速は、その必然の結果だった。


1回目を終えて、過ごし方に工夫はするものの、もとよりあまりいい体調でもなく、1回目で思い出した感覚は強みであるが、疲労の蓄積という点では、2回目は1回目よりもどうしてもコンディションが悪くなる。


1回目とさして戦略を変えることもなく2回目をスタートしたが、疲労によるパフォーマンスの質の悪化だけが目立ち、苦戦の末、とうとう3シリーズ目で9.8-9.9を連発して、94までスコアを下げてしまった。
ならばやむなし、と何らかの収穫を得る方を取ることにして、あえて構造を理屈でチェックして「型」を思い出す方に乗り出す。


モードを切り替えたとたん、リズムに気をつけているつもりが、ただ焦っているだけだった、と気がつくなど、副次的な効果もあって、ほどなく調子を取り戻し、後半は99 99 98と盛り返して585で終えた。


スコア的には平凡であったけれど、もとより練習的な意味合いの強い記録会であったので点数はあまり気にならず、それよりも先月の連戦の中で試行錯誤の末に見出したものが幻ではないことを確かめられて、満足感いっぱいであった。
2度の採点射の間、一貫して同じ方法論を用い、コンディションの変化に対応して戦略を変えつつ、1回目の前半と2回目の後半に「結果」といえるパフォーマンスにまとめられたことは、大変な収穫であり自信にもなった。


両方を合わせたくらいの点数がいつでも出せるようになりたいし、その手がかりは得られたような気がしている。


[fin]