奥猪名・能勢


合宿2日目。
朝は早く目覚めた。


今回の宿舎は奥猪名にある施設で、私は初めて利用したが、部屋や温泉がなかなかよい。食事は、揚げ物のために見た目が豪華だが、内実は価格相応といったところかもしれない。最も安いプランだというからそのあたりはやむをえない。


昨夕ここに着くまでに、懐かしい里の風景を随分走り抜けたが、さほど「山奥」と印象は持っていなかった。
しかし宿について携帯で連絡を取ろうとしたら、圏外の表示。
TUKAを使っていたころは、そんなことがよくあったものだが、auにしてからでは初めての経験である。


さて、折角の早起きだったが、先週で選手としてのモードがいったん終わった感じがあって、朝食までの時間、外で体を動かすのはやめて、PCを開いて射撃関係の書類を仕上げる作業をした。


朝食後射撃場に着くと、今日は年末最後の大会となる「クラブ対抗戦」が行われていて、同じ協会にいながら、普段なかなか会うことのない顔がたくさん見える。
私の所属するチームは数年前までは協会内で随一の隆盛を誇っていたのに、ここ数年ベテラン選手の退会が相次ぎ、こういうローカルに楽しむタイプの試合では、めっきり存在感がなくなってしまった。今年はついに団体を組むこともできなかったという。会場にいながら参加できないのは少し歯がゆいけれど、楽しい雰囲気だけ味わわせてもらいながら、昨日に引き続いて合宿の指導をした。


試行錯誤に付き合う、といったタイプの合宿なので、こちらものんびりとした空気である。
射手の間をうろうろしながら時々声をかけ、質問に答え、セッティングの手伝いをしたり、射手のまねをしてどうなっているかを説明したりする。


久しぶりに大学の後輩であるH君とも会って、話をした。話題になるのはやはり今週から施行される新銃刀法への対応策だ。
模擬銃を揃えたり、ビームを活用したりなど、こちらにできることは限られていること、更新の手続きに必要な書類が変わり、手に入れにくいものをどう手配するかについては、かなり不安だということ、とまあ内容はそんなところで、誰と話してもやはり落ち着くところは変わらないことを再確認する。


夕方4時までみっちり練習をさせて、今回の合宿は無事に終えることができた。
後輩たちの飛躍につながるものになったであろうか。


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