娘と過ごす

キッキーと。



保育園の用事で、相方が昼過ぎから立て続けに2度出かけたので、娘と半日留守番をした。


と言っても、昼食後に娘は2時間ばかり昼寝をしていたので、その後早めの夕食を用意し始めるまでの間にいろいろな遊びに付き合ったり見守ったりしたぐらいのことである。
お昼前には、相方の台所仕事の邪魔にならないように、マンションの中庭にある砂場にもふたりで行ったのだが、久しぶりにゆっくり相手をすると、遊び方がすっかり堂に入ってきていて驚いた。


買ってもらった小さなバケツとスコップと熊手の砂場道具セットをしっかり持ってしっかり歩き、自分の膝上の高さくらいある階段もせっせと手すりを頼りに降りていく。
バケツに砂をせっせと詰めてみたかと思うと、ひっくり返してプリンのような形ができないかと、確かめたりする。
まだまだ非力で詰めも甘いが、やろうとすることはなかなかいっぱしで、飽かずにあれこれやっている。


雨上がりのためか、人は他にだれも居ない。ふたりで静かに独占する。
お守り役とはいえ、砂場で遊ぶ、なんて長らくやったことがなかったので、娘が使わない道具で横で私も楽しんでしまった。


自分が子ども側だった時には、熊手、というのがいまひとつ面白く思えなくて、あってもあまり使わなかったとかすかに記憶するのだが、この歳になると(?)砂地に引っかき模様をつけながら、ずんずん均せるのが、なかなか面白い。
娘がすくうあたりに砂がたくさん来るように、掻きながら幾何学的に模様を作ったりして、しまいには小さな山にしてしまう。


娘とぺたぺたと山を固めて、トンネルを掘って見せた。
娘が穴を覗いたり、道具を入れたりするので、反対側からその道具を取り出したり、手を出したりして遊ぶ。


言葉も部分部分がはっきりしてきて、
「パパ、**が ないねー」
「これは、ちゃんの **」
「ママ、** ちょーだい」
といった具合に、話している内容の構造はすっかり文章らしくなっている。


わからないけれど耳に止まった言葉を、真似をして言ってみて、私たちの反応をうかがったりも、よくする。
不用意に横で、お金の話をしたら、
「じゅうまんえん?じゅうまんえん?」と言われて、うわっとびっくりさせられたりした。


このごろは、自分用に同じものを用意してもらう、というのがちょっとしたブームになっている。
お風呂に入る時には、「ちゃんのタオル」と称して小さなハンドタオルが必要だし、お風呂上りには、自分でも拭いた気分になるために乾いた「ちゃんのタオル」も必要だ。


何分接している時間が少なくて、断片的な感想ばかりだが、あれよあれよとこうやって変化していくものかと、驚くことばかり多い。


[fin]