千葉・初日

千葉県営射撃場・50m



今大会は10mと50mとBR種目の会場がそれぞれ別で、離れている。
10mと50mが車で10分以上離れた別会場というのは珍しいし、不便である。


銃器保管所は各会場に付随するので、それぞれに預け手続きをしなければならない。
銃器検査場も別々で、服装はいずれでも検査してもらえるが、銃については、会場で行われる競技の銃種しか検査してもらえない。


10mの会場は、県立高校の2階にある体育館に電子標的が仮設されたものである。
体育館部分しか借りられなかったとのことで、射撃場外に荷物を置くスペースはなく、検査会場は射座の後ろにパーティションで隔てただけのところである。
出入り口が小さく、床がきしむので、どうしても試合中にざわざわする。
学校なのでエレベーターがあるわけでなく、検査や試合のたびにうんうん荷物の上げ下ろしをしなければならない。
待機場所は、道場をそのまま充てただだっ広い更衣室を除けばすべて屋外で、雨天時が不安である。


まずは、エアライフルを預ける目的でこちらに来て、銃器検査も受けた。
検査は、やや杓子定規な感のする厳しいものだった。銃のサイズや靴の寸法についての検査が厳密だったのが印象的であった。


そこから50mの会場である県営射撃場に向かう。
県営射撃場は、スーチャック氏の強化合宿で5-6年前には幾度か足を運んだ。
今回は、電子標的を新しく設置したものの、他はほぼ手を加えずに会場としている。
もともとギャラリーを兼ねる通路が狭く、射座内には柱があって、競技会用としては評判のよくない射撃場である。
検査会場は、今大会では使用されない10m射撃場が充てられている。すり鉢の底にある50m射撃場からは、まず地上までせっせと階段を上がり、そこから坂をざざっと下って行かねばならない。車輪の小さな古いスーツケースには、往復するに少し辛い距離である。


昼からだから、と余裕に思っていたが、全ての手続きを終えると結構ぎりぎりの時間になっていた。
近年はやりの入場時間制限で、1射群の選手が退場するのを見守ったあと、空っぽの射座の前でしばらく待つ。


三姿勢を撃つのは、クラブ対抗戦以来になる。
早めに準備を調えようとするが、入場時間制限があるとプレパレーションタイムのスタートにはどうも間に合わない。
試合開始。


試射は順調にスタートした。
ところが、3発目を撃った時だったろうか、弾着を見ると、その弾着が表示された後、7点台の外れた弾着が引き続き表示され、撃ち込まれたか?と身構えると、さらに間もなくど真ん中10.9の表示があり、次はどんどんそれが繰り返されて止まらなくなった。プリンターもそれをぶんぶん印刷してゆく。
射場長を呼ぶ。珍しいトラブルに、ちょっと色めきたつ。アスコー社のスタッフが来て、何をするかと思いきや、機械をリセットして「OK」と言う。
おいおい、原因について何も調べず、これでいいのか?再発するんじゃないか?
と不安に思ったが仕方ない。
そのまま試射を再開した。結構時間を取ったように思うけれど延長なし。


試射は予定通り15発撃って、本射に入った。
1発目にまたそれは起こった。
10.4とほっとしたのもつかの間、8点台が引き続いて表示され、またまた10.9の連射状態。
ほっとけば398点だが、そうもいかない。
ほら、こうなるじゃないか、と内心腹立たしく思いながら、射場長を呼ぶ。
射座の移動となった。


本射を1発しか撃っていないのに、残り時間は試射込み25分、と言われる。
厳しい。私が試射に使った時間以上にロスで短くされて、寝直して試射からやり直さねばならない。
時間との戦いである。


試射もそこそこに本射に入り、ハイペースで撃つ。
しかし、私は量的に非常に少ないトレーニングで対応するため、少ない練習量でも安定して技量を発揮するための工夫が前面に出た、1発ごと肩をはずすスタイルで、スピードアップには限度がある。
99 100と焦りつつも必死でいい滑り出しをするが、残り時間的にこのペースでは撃ち終わらないことがわかり、ペースをさらに無理に上げて崩壊した。90 96と上がって385。
残念ながら、この時点で勝負あり・・・である。


気を取り直して、立射・膝射を撃つも、1128に終わった。
3つの姿勢それぞれに、パフォーマンス的には収穫があった。
これだけ間が空いていろいろあって、主観的にぼろぼろでも、この程度の成績に収まるものか、と変にほっとして会場を後にした。


[fin]