夏祭り

おねえちゃんたちと



昨晩は、実家のある自治会が主催する、恒例の夏祭りだった。


街開き以来しばらく、8月最後の土日は、住宅地の中にある、大きな町営公園にあるグラウンドの中央に櫓と舞台が組まれ、盆踊りが行われてきた。
自治会の世話役が中心になって、たくさんのテントが組まれ、そこが出店になる。
2日間の運営はなかなか大変で、10年目ぐらいからだったろうか、今では1日だけの開催になっている。
それでもニュータウンは、四半世紀を経て貫禄がついた。
毎年、たくさんの人が集まり、「雰囲気」を十分に楽しめるくらい、にぎやかで立派なまつりとなっている。


妹の一家も、このまつりを楽しみに、実家にやってきていた。
相方と娘は先に実家に行ってご飯を食べ、姪っ子たちと浴衣を来て準備をした。


浴衣を着るのを嫌がったりするかな、と思ったのだが、お姉ちゃんたちが支度するのを見て、自分も「当然」とばかりに澄まして浴衣を着せてもらったそうだ。
私の到着が遅れて、先に姪っ子たち妹一家がまつりに出かけることになったのだが、「夏祭り」が何であるのか知らないはずなのに、娘は、あら?私は?まだなの?という具合に、そわそわしておかしかったらしい。
7時半ごろに実家に着くと、「いこう!」とばかりに玄関まで駆けてきた。
ごめん、ごめん、とすぐに相方・母とともに出かけた。


公園前のメイン道路は、車でびっしり埋まり、警備員が横断歩道で歩行者の誘導をしていた。
公園に入ると、提灯や紙の灯篭がにぎやかに灯り、今年も櫓をテントがぐるりと大きく囲み、たくさんの人々が思い思いに踊ったり、出店に群がったりしているのが見えた。
うまく妹の一家と合流できた。
姪っ子たちは、光るおもちゃを買ったり、輪投げをしたり、とすっかり楽しんだようだ。


私は娘を抱き、生演奏のリズムに合わせて適当にステップを踏んで、何となく踊りの輪に加わってみる。
娘は、音量と光のコントラストに驚いたのか、地面に降りるのは嫌がってしがみついていたけれど、抱っこされている分には、面白がって周りを見まわしていた。
大きな輪だったけれど、三分の一周くらいは、そうして揺られていたが、やがて
「ばあちゃん」、「まま」
と、みんなと合流したがったので、また元のところに戻った。


相方が、姪っ子たちと水風船釣りをしてきたようで、さっそくそれをもらってご機嫌になる。
もうすっかり慣れて、こんどは、降ろせ降ろせ、とごねたが、降ろしてみると、いろんな人に平気でぶつかっては愛想を振りまくので、やっぱりまた抱き上げて、早々に妹の一家と共に引き揚げた。


帰宅後も、さすがに興奮気味で、なかなか寝られずにぐずぐずやっていた。
1階の一角を暗くして、相方と二人、悪戦苦闘している間に、妹の一家は帰っていった。


もう小学2年生になっている姪っ子を、はじめてまつりに連れて行ったときのことを思い出して、「早いものだなあ」という話になった。
また来年にはそれぞれ、すっかり違った様子になっているのだろう。


[fin]