おっきい ぷーる

一人前!



「海」体験を経て、すっかり水好きが本格的になった娘は、保育園での「ぷーる」が楽しみの一つ(というよりある種の生きがい?みたいなもの)になっている。
この夏の初めには、水遊びのために水着を着ても、外を見向きもせず、ひとり屋内で何食わぬ顔をして遊ぶ、という具合だったことを思うと、すごいものだな、と思う。


「おっきい ぷーる したの」
娘と過ごす、それほど長くはないひとときの中で、本人が説明をしてくれる。
保育園には、夏の間の仮設ではあるが、鋼材を組んで作る大きなプールと、家庭用の水遊びをする小さなプールがある。
大きな方のプールに入った、ということなのだろう。
程度を表す表現が混じってきたのに驚いていると、どうも園で歌っている歌詞の中に、「おっきな」−「ちっちゃな」という対のことばがでてくるものがあるらしい。


「ぶーぶ いっぱい いるねー。」
なんて言いながら、外を眺めたりもするようになったので、こういう表現が身につく時期なのかもしれない。


自分の行為をアピールするような表現も、増えてきた。


ごはんは、保育園の方法に倣って、ひとさらひとさら、食べ終わらないと次が出ない、というルールでやっているのだけれど、このごろは、
「もう べた!」
と空になった皿を突き出して、次を要求する。
ごはんでは、はじめに水をコップいっぱい飲まないといけないのが、娘にとっては難関である。家では大目に見ていたら、園の昼食のときになかなか飲めなくて、わざとこぼしてみたり、あの手この手で逃れようとしている、という話が伝わってきた。
娘よ、なかなかやるな、と感心したりもしたのだが、習慣にしてしまうほうがいいかな、ということになって、最近は家でもちゃんと飲まないと駄目、ということにしている。
水の次は、根菜類の煮物、となることが多いのだが、これもその後に出てくる、魚や肉、ご飯などにくらべると、ちょっとなあ、ということらしくて、ぐずぐずする時があった。
いずれも、終わったよ、次!と「べた!」(これは「食べた」の「た」が落ちたものだ)が言えるようになって、食べるスピードが上がってきた。
「ばな!(バナナのこと)」、「かん!(みかんのこと)」とデザートを要求するのは相変わらず。
「えぷん!(これはスプーンのこと)」なんかも、皿の状況によっては要求したりする。


こちらが呑めないような要求を出して、思い通りに行かなかったときは、
「ぱぱ ぽーい!」とか「まま ぽーい!(ぽーい、はものを投げたり捨てたりするときに使っている)」
と、ちょっとふざけも混じった負け惜しみを言ったりも、よくする。
もっと本人が怒っている時は、
「まま どーん!」
と言って、突き飛ばしたりして、余計に叱られたりしている。


家事をしていると、同じことをしたくなった娘に、
「ぱぱ どいて! ちゃん(自分のこと) する!」
と、押しのけられたりもする。


時には、1歳児相手に結構一人前の対応を迫られたりして、おお、もうこんな風になるか、と焦ったりする。
日々その変化を面白がりつつ、こちらが、親としていろんなことを問われているな、と意識したりもする。


[fin]