選手強化合宿2日目


2日目は朝から生憎の雨。散歩ができないので、トレーナーのS君が、ラジオ体操を指揮してくれた。


射場ではメニューに沿った練習をしてもらいながら、個別にアドバイスをする。
明日の記録会に向けた準備をスタッフにはお願いする一方で、10mの方では、4時からファイナルマッチの練習を行った。
75秒オーバーが二人も出たり、試射的の回収にばたばたしたりと、1回生が意外とファイナル慣れをしていないことがわかり、やってよかったと改めて感じることになった。


夜はBBQの夕食だったこともあり、先に入浴時間をとって、講義は20時半からとなる。
トレーナーのS君とは二人で1時間半くらい、と話していたのに、先に栄養について講義したSくんが、突然の腕時計の故障もあってか1時間の熱弁。
その中で取り組まれた、食事の調査を兼ねたワークシートでは、選手たちの、想像を絶するひどい食生活ぶりが明らかになり、コーチ陣は絶句させられた。
S君の後を受けた私も、始めに食事の重要性について改めて少し話すことになる。
「食事」からパワーやエネルギーを連想する向きが強いようだが、射撃の成否を分ける「感覚器のチューニング」のためにさまざまなものを食べておくことが重要だということをもう少し知っておいてほしいものである。


今日の私のお題は「目標設定」。
「夢のような目標」にはじまって「50年後」・「30年後」・「10年後」・「5年後」・「4年後」・・・と経て「今週」・「今日」・「今」とそれぞれ「人生」と「スポーツ(射撃)」について目標をワークシートに書く作業をさせる。
私自身が以前にやってみたときもすんなりとは行かなかったが、なかなか選手たちは書くことができない様子だった。
予定していた10分を大幅に延長しても、うんうんと苦悶している選手があちらこちらにいる。


なんとか全員におおよその欄を書き込ませてから、話に入る。
目標の内実について、「知らないから書ける」・「知らないから書けない」・「知っているから書きにくい」・「知っているからこそきちんと書ける」といったことが起こる、ということを具体的に話す。そのことで「目標」それ自体の意味や、それを先は不確定であると知りながらも掲げていくことの意味について考えてもらえたら、という狙いである。
おのずと、射撃だけに留まらず、「生き方」に話を及ぼさざるを得ないのが、こういう話の面白いところでもあり、ちょっと困った部分でもある。


その後は、貼り出してあったアンケートの「プロフィールシート」を前に、書かれている質問に答えていった。
時計を睨みながら駆け足で話してなんとか23時に講義終了。
明日の標的のナンバリングをしてもらって、部屋に帰したら23時半になってしまった。


選手たちにすれば、相当な眠気との戦いであったはずだが、反応は全般にとてもよかった。
こちらもS君ともどもくたくたであった。
ぬるくなった風呂で、しばし息をつき、さっさと寝る。


切れ目のない、中身の濃い合宿になっていると思う。
あと半日だ。


[fin]