全日本クラブ対抗戦


今日は、10m。
私も、クラブメンバーで一緒に移動しているTくん、Sさんも出番は昼以降なのだが、もし仕事があったら手伝おう、と朝9時に会場入りした。
仕事は幸い手が足りていて、あとで手薄になる時間帯に応援に入ることにする。


学生連盟のプロジェクトを一緒にやっているFさんやIくんの所属チームのベースで過ごす。関東組の様子を聞いたり、間近に迫った選手強化合宿の内容について相談したり、取り組み全体の評価や報告の方法について話し合ったりした。
これまでやってこられなかったことが大いに問題でさえあるようなことを、率先して試行錯誤しつつ取り組んでいるのであるが、ここまでやってこなかった自分たちの責任を感じるどころか、若造がやっていることには目を光らせねばと、形のある成果の有無を総会では徹底して追及する、とお偉方は息巻いているらしい。


阿呆らしくてやってられんわい、というのが正直なところである。
新しいことに手を出さない者が一番偉そうにできる、という構図がここにある。
事務的な「対応」には労を惜しまないが、事業的には、細かな調整はしても基本的に「踏襲」を重ねて手をこまねいている者が、何かを始める者よりも優位に立てる。
なまものの選手や技術に関わる部分は、叱咤だけして手は出さないに限るのだろう。偶然の好結果をうまく使われるのでない限り、そこにはたいてい突っ込むのに苦労しない「粗」があるものだからである。


その時々の、自校の相対的な成績だけが最大の関心事で、それ以外はおまけでしかない人の集まりの中で、それなりに「らしい」ことをするのには、余分な苦労がついて回るものだ。
それをするために余暇を削り、他にもいろいろ犠牲をともなっていて、すでに十分大変なのである。
ボランティアである以上、「余分」がある線を越えたら投げ出すしかないが、まったくどうしてこうも、どこもかしこも非建設的な局面ばかりなのか。
そりゃあ国も傾くだろう、とちょっと大げさに悲嘆に暮れたくもなる。


そんなこんなで、少しくさくさした気分にもなったが、1時間前となったので、試合の準備に移った。
私の撃つ午後一番の射群はやたら関西の選手が多くて、なんだか可笑しい。
地元みたいだなあ、と思いながら射座に入った。

前回明らかになった、「気づかずにやってしまう照準ミス」を除く方法が、有効かどうか確かめながら撃つことにする。
撃ち始めてみると、調子はあまりよくない。身体の繊細なコントロールが、うまく出来ない感じである。
視覚情報と弾着に齟齬はなく、バランスと集中の問題のようであった。
暑さを堪えて何とか滑り出すが、序盤にかなり失点してしまった。

集中の部分だけでも何とかしようと、目の使い方に注意を集めてみる。
細かい部分は、私にとって最近の新しいテーマなのでバラバラなのだが、見る「度合い」というような大雑把な点に注意を払うだけで、かなりパフォーマンスの質が変わる。
3シリーズ目からは、何とか自分の射撃を取り戻して最後まで撃ちきった。

得点は、またか、の587。
今年の私を、しっかり表している得点なのだろう。
同じ点数ながら、毎回必ず異なる課題に直面し、それなりに解決法を試合の中で機能させて着地してきた。
次こそは、という積み重ねを、今回もまたできた、ということでよしとする。

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