近畿団体戦


W県が伝統的に主管している、のどかな団体戦
今ではすっかり珍しくなった、手動の交換機を使い、オープンエアでエアライフルを撃つ。
記録を狙う、ということよりも、好きなものが集まって競技を楽しむ、という「原点」を確かめるような楽しさのある大会だ。
天候に恵まれると、原っぱにみんなで三々五々集まるような趣があるのがいい。


わがクラブチームに今春新しく加わった大学の後輩たちが出場してきた。
10mS60MW(!)と50m3×20MWに出た。


10mについては、新しいウェアを試すなど、テストも兼ねてみる。
スコアはあまりよくなかったが、充実感があった。
環境が悪い時に、見えてくる自分の「癖」のようなものがある。


50mは、屋外で地面に直に伏せて撃つこと自体が、ずいぶん久しぶりだと撃ってみて気がつく。
どこにも逃げず、銃の反動だけを純粋にガツンと肩に受けるのは、大切なことのように思う。
学生時代に練習場にしていたところは、射座がコンクリートを打っただけの地べたで、そこに伏せて撃つことが当たり前だったのだが、久しぶりにやってみると、「反動」についての感じ方がとても鋭くなっていることに気がついた。
銃口を弾が飛び出す一瞬の「状況」が、実は空気を切り裂いてゆく弾の「その後」にとってとても重要で、「静止」にプラスする何かが一定であることが、弾着にとって大切なのだろう、ということに素直に思いが及んだ。


それにしても三姿勢が、60発だと随分楽チンでびっくりした。
勝敗にこだわる試合ではないが、きちんと出た種目で勝たせていただくのはうれしいことだ。
団体もひさしぶりにいい結果で、加入した新メンバーに、今後楽しく活動していってもらうきっかけにできた気がする。


ところで・・・。
50mの三姿勢は自己採点を随分と下回る結果になった。最終射群だったので、閉会を急ぐ気持ちはわかるが、どうも審査でゲージを禄に挿さなかったようである。
10mは自動採点機が当たり前になり、手で行う審査は50mの紙標的だけになった。
勝負を真剣に争う大会ではないから、1位で文句をつけるのもどうかと思ってそのままにしたが、審査技術が急速に失われつつあるのではないか、と感じた。
この規模の社会人の大会でこのようだと・・・、と今後を少し憂える。


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