走る娘


昨日のことだ。


相方の体調が悪く、私は代替休日だったので、保育所には私が送っていった。
修学旅行の引率は、ほとんど寝る時間の取れないハードな行事なのだが、法事があったり、家で娘と二人きりで過ごすことになったり、と疲れの癒えないまま週末が過ぎてしまった、というところのようだ。


法事での娘の様子は、かいつまんで聞いたが、年長の子供たちに混じって遊ぶ、というのは相当に面白く刺激的なことらしい。
昨日は私が朝一番から試合に行ってしまったために、そんな一日を経た「変化」を感じる場面がなかった。


今朝は、保育園につくと、服の入れ替えなどをしている私を置いて、板の間のホールに一人で嬉しそうに歩いていく。
保育園の先生の前で、いきなり「めだかの走り」という、両手を前で合わせて走ってみせる。
先生は「あら?」と言って歌を歌ってくれた。
嬉しそうにそのポーズのままで走り回る。
次は両手を広げて「トンボの走り」のポーズをする。先生はトンボの歌を歌って一緒に走ってくれる。
しかも、最後の、片足を上げて静止するポーズの時には、支えになる椅子を探して手をつき、「ぴっ」と言いながら片足を上げる。


ようやく歩くのが安定してきたな、と思っていたらこの変化だ。
着いたら観てもらおう、やってみたらできるかも、くらいには思っていたかもしれない。
年長の園児がするのをよく観ていて、自分もできるようになったという喜びでいっぱいなのだろう。
その後もご機嫌で歩き回っていた。


偶然とはいえ、いい瞬間に立ち会えたなあ、とちょっと感動しながら家に戻った。


[fin]