かきかき

かきかき



娘は、GWの間に、床から立ち上がることができるようになり、歩くおもしろさにめざめた。


ここ数日で「書く」こともおもしろくなってきたようで、ちょっとした機会に、「かきかき」と言いながら右手で書くしぐさをして筆記用具を要求する。
古いカレンダーの裏を座卓に広げてやって、鉛筆や、幼児用のグリップが丸いクレヨンを渡すのだが、ちょこんと小さな椅子に座ってぶつぶつ言いながら、紙に向かってがりがりさらさらと何かやっている。


覗き込むと、往復半弧状の書き込みを少しやってみては、あはは、とこちらを見て、またそれを繰り返す。
紙のほかにも書かれてしまうかな、と筆記用具を触らせている間は、それとなく視界の隅にいれて置くようにして、ぽんと放り出したら、手の届かないところに片付ける。


でも、朝起きて、朝食までの間に望むままに「かきかき」をさせていると、ふっと目を離してしまうこともある。
今朝は、あっと気がついたら、あははは、と嬉しそうに、紙を床に下ろし、あっさりとはみだして、フローリングの床に色鉛筆で線を描いていた。
ありゃー、とすごく困ってみせて、せっせと消しゴムで消してみせる。


今日、深夜まであった保育園の総会では、園生や卒業生の作品を使って、月齢を追って、発達に応じてどのように描画が変わっていくか、という学習会になったそうで、相方によれば、なかなか興味深い話がたくさん聞けたという。


私は、幼いときから絵を描くのがとても好きだった。いつもクレパスや鉛筆、色鉛筆、薄めの画用紙が傍らにあった。
でも、どうも同じような方法に長くこだわる傾向があったらしく、こうした方がいい、これは駄目、となかなか自分でその方法に飽きるまで好きなように描く、という風にはなかさせてもらえなかった、と感じている。
できれば、私は娘には好きに描かせつつ、娘に付き合って、こどもに戻った気持ちで横で一緒にわいわいと、わたしも好きに描いていこうかな、と思っている。


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