書いてみる


預かっているチケットや返却する道具などを届けがてら、3人で実家に行く。
両親は、孫がやって来るのを楽しみに待ち受けてくれているので、私たちはしばし「主役」の娘から解放される心地でほっとする。
食事をすると、相方は寝入ってしまった。


私は久々にゆっくり机の前に座れたので、先日読み終えた「基礎から学ぶメンタルトレーニング」に引き続いて渉猟しているいくつかの関連本を開いて、具体的に取り組んでみた。
「メンタルトレーニング」と言っても、なにかまじないのようなことをするわけではなく、「書く」ことを通じて、考え方を整理し、環境に対する「向き合い方」を様々な点から変化させていくことがメンタルトレーニングの主幹である(と思う)。


こういう取り組みの一番入り口にありながら、まったくもって苦手としてきた「自己分析」や「目標設定」を、新しいノートを広げて渋々ながらにやってみた。
昔からそういう風にやるものだと知ってはいたが、照れくさかったり馬鹿馬鹿しく感じられたりしてうまくできなかった。頭の中が痒いような変な気分であることに変わりはないものの、今回はやってみることにしたのは、全日本選手権で明らかになった、自らの弱点に対する深刻な気づきと、高妻氏の著書で触発されたことによる。
自分の曖昧さや時間のなさに改めて直面して、やる気が沸いたのか滅入ったのか自分でもよくわからないおかしな気分になった。


「書く」という行為が秘める力は、大したものだと、大したことも書かないくせに感心だけする。


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