コーチ試験


公認コーチ講習共通科目の試験があった。
午前10時半に会場入りして、共通科目IからIIIまで合わせて400問、16時半までの試験である。


会場はオフィス街の一角、大通りから一筋入ったところにある、試験会場や説明会場用に専ら用いられるらしい、「ホール」とは名ばかりの古いビルだった。
子供時代に通った、学習塾の建物を連想させた。
折りたたみ式の会議机と椅子がずらっと並び、ペンキ塗りの壁の白さが目立つ。エントランスとて、唯一の急峻な階段と同じ幅の入り口ひとつ。基本的に1フロアに大部屋1つだけのビルである。


夏に新大阪で行われた5日連続の講習会で見かけた顔がたくさんある。受験者は500人前後といったところだろうか。
3つのフロアにぎっちり詰められた。
1階は、私もかつて通った予備校の模擬試験会場に使われていて、少しにぎやかだった。


専門科目の方のレポートは正月に一通り仕上げてから、もう少しだけ精度を上げようか、と提出せずに置いていたが、結局手をつける暇がなかった。期限となった昨日、事務局に送信した。
今日の一般科目の試験に向けては、その後でばたばた準備しただけだ。
ノートにインデックスをつけて、テキスト順にページをめくれるようにする一方、テキスト側にも講義中に講師が強調した書き込みのあるところ全てに付箋をつける作業をした。テキストの章の順に、ノートとテキストにざっと全部目を通す。
保育園の入園説明会はともかく、試験勉強より先にPCで使うDVDの再生ソフトについて調べたりしていたくらいだから、自業自得なのだが、昨夜は3分の2くらいまでやって力尽きた。今朝早く起きて、続きをなんとか一通り終わらせた。
ノートを講義の現場で仕上げておいたのは、かなり有効で、講義された内容については、ほぼ頭の中で再現することができた。


試験は、免除者のいない「共通科目III」からはじまった。
内容的には最も高度で複雑なはずだが、よくできた。ざざっと見直しただけとはいえ、一度きっちりとやったことは役に立つものだ、とわれながら感心した。
200問と、全体の半分を占めるIIIが終われば、あとは共通科目II、共通科目Iと、より基礎的で少ない内容になっていく。これは楽勝かな、と思ったのだけれど、そうはいかなかった。


理由は簡単。講義されていない部分がほとんどだからである。
講習会で講義されたのはIIIとIIの1〜3章だけで、他は自習すべき領域、ということになっている。その肝心の「自習」を禄にやっていないのだから、駄目である。
IIIで取り扱われている内容の基礎的な領域に相当している部分は何とかなったが、I、II独自の分野については大炎上してしまった。


4択のマークセンスだったことが幸いして、どうにかこうにか解答してきたが、あやふやな回答の多いこと。
すぐにはできないけれど、IとIIのテキストは、後日ちゃんと読み直そう、と反省した。


運転免許試験のように、正答率9割以上が合格だったら、絶望だったけれど、6割が合格ラインということなので大丈夫だろう。
指導する者が、それに関わる知識に関してそんなことではいけないのだけれど。


ほうほうの体で会場を後にすると、寄り道をする元気もなく、寒風に吹きつけられながら、まっすぐに家に帰ってきた。


[fin]