満1歳

マクロビ・バースデー・ケーキ



娘が満1歳の誕生日を迎えた。


娘は少し風邪気味で、相方と私も体調はいまひとつであるが、相変わらずの娘の早起きに付き合って、朝から洗濯だ掃除だ、と動き回る。
相方は、娘も食べることが出来るように、誕生日ケーキをマクロビ・スイーツで作る、と準備を始めた。材料になる木綿豆腐を買い忘れていたというので、私は、朝食を終えてから、娘と一緒に買いに行った。
娘はスリングの中から機嫌良く店内を見て回っていたが、途中で眠くなり、家に着いてからしばらく昼寝をしてくれた。
来客に備える準備があるので、少し助かった。


午前中から私の母と相方の母が相次いで訪れた。
母たちが談笑する傍らでケーキを仕上げ、準備は完了した。
私の母は用事で一旦出かけたが、その間に父たちが相次いで訪れた。やがて母も戻り、最終的に6人の大人が、娘の誕生を祝うために集まった。


どちらの実家に行っても、知っている人がたくさんいることに大喜びする娘だが、今日は自分の家に勢ぞろいしたのがとてもうれしい様子だった。
注目や関心を一身に集め、大得意である。
第一子は、彼らにしか経験できない、こういう一瞬がある、というのがとても恵まれていると思う。
ご馳走やプレゼントなど、祝いごとにはいろいろなものがついてくるけれど、その何よりも、みんなが集まってくれる、ということが「祝い」だと、あらためて感じさせられる。


そうは言っても、プレゼントも大したものだった。
木の小さな食器や、フェルトとマジックテープで作った様々なままごとセット、かわいらしいお絞り入れ、動物や乗り物などいろいろなイラストが載った絵本…。ひとつひとつよく考えられた、心のこもった贈り物をたくさんいただく。
ひとしきりそれらに感激した後、マクロビ・バースデー・ケーキを思う存分に食べた。
小麦粉のほかにはバターや砂糖や生クリームを使わず、かわりにメイプルシロップや菜種油、木綿豆腐を使って作ってある。
1歳の娘にも、ためらいなく食べさせることができる。
娘は、口の周りにいっぱい「豆腐クリーム」をつけて、大人たちと一緒に大喜びでケーキを楽しんだ。


愉しい一日だった。
娘は、祖父母たちの帰宅後、ほどなくぐっすりと寝入った。


片づけを終えて相方とふたり、1年前を思い起こしながら、1年というのはこれほどにいろいろなものを変える力があるものかと、娘の成長や自分たちの生活の変化にしみじみと感慨を覚えながら、お茶を飲んだ。


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