虫歯 ふたたび


18日に歯冠をはずした歯は、大きな穴が気になるけれど、もらった鎮痛剤を2度ほど飲むと、その日のうちに落ち着いた。
昨日再び歯科医院を訪れて、仮詰めをしてもらった。
歯の底は、根の部分の炎症が完全には治まっておらず、経過しだいで今後の治療をどうするか考えるのだそうだ。


殺菌消毒と仮詰めの作業で少し痛みが戻ってきた。
仕事場では、すぐに鎮痛剤を飲んで少し落ち着いたのだが、夜に帰宅すると再び痛みが激しくなってきた。
翌朝から東京で5日間のコーチ講習会を受けねばならないため、次に歯科で診てもらえるのは6日後。
果たして鎮痛剤だけで乗り越えられるのか、不安がよぎる。


夜中過ぎまで、旅支度をして、薬頼りに寝たが、痛みで目が覚めた。
時計を見ると午前3時。2時間しか眠れていない。
再び薬を飲んで保冷材で冷やしてみたがどうにも見通しは暗い。薬が効くまでは、何も考えられず、ただ耐えるだけで精一杯だった。
娘もちょうど目を覚まして、ちょっと大変な感じになってきたが、相方は夜中でも歯医者を起こして診てもらってはどうか、とネットでいろいろ調べにかかってくれた。
私が娘を抱いて相手をしているうち、24時間夜間対応してくれる歯科救急が阪大歯学部にあることがわかり、問い合わせてくれる。


毎晩、夜中にこうして当直して急患に備えてくれている医師がいてくれることは本当にありがたいことである。
困らなければ気がつかないが、必要な場面に直面すると、その存在には本当に頭が下がる。


車を乗り捨てるわけにもいかないので、相方と娘も支度して夜の高速を病院に向かった。相方のフットワークの良さはちょっとしたものである。
とても私からは言い出せない提案だった。
薬が効いて、少し痛みが落ち着いたおかげで、運転は大丈夫だった。


当直の事務官と若い医師二人が丁寧に対応してくれた。
仮詰めを取り除き、殺菌消毒をする。綿だけを詰めて、開放状態で様子を見ることにする。
処置が終わると夜が明けていた。
相方の実家に立ち寄って、私だけ東京に向かう。


処置後1時間ほどで、痛みはすっと治まった。
在来線の事故と遭遇して、新幹線に乗るまでさらに一波乱あったが、なんとか開講に間に合いそうである。


[fin]