聞いて安心すること


いつもオーバーホールを依頼している銃砲店のTくんに、先日の弾のセレクションで感じた銃の不安についてメールで相談した。
休暇を取っているところだったようなのに、その日のうちにメールと電話をくれた。早い方がいいからと、オーバーホールを担当してくれているKさんとすぐに連絡を取ってくれて、翌日店に電話してくれたら対応できるから、と言ってくれた。今日、夕方に仕事が一段落着いたところで、かけてみた。


Tくんに不安を伝えるためのメールをまとめたことで、自分が何に不安を感じているかを、ある程度明らかにすることができていたので、Kさんとも落ち着いて話すことができた。銃を診てもらったときのカルテに基づく私のライフルの状態や、バウ・ブランドの状況、弾の状況などいろいろ聞くうちに、もやもやは晴れた。
症状の解決において、実は問診そのものが大きな役割を果たしている、というけれど、症状そのものをどうかしたわけではないが、しかし確実に治してもらった、というところだ。


かなりの年数、射撃をやってきているが、男性射手としては、おそらく道具へのメカニックなこだわりや興味が、例外的に薄い選手である。ケチらずにそこそこのグレードのものを揃えて、手入れさえ怠らなければ、必要な性能は設計者や製造者が必ず担保してくれる、という信頼があって、自分の本分は、選手としてそれを発揮させることだと割り切っている。
道具については、手入れがしやすくて丈夫であること、ある程度フィットさせられるなら、それ以上には繊細すぎず明快であること、が大事だと思う。


世界中のたくさん射手や指導者たちが試行錯誤した末の「オーソドックス」がどのへんなのか、ということだけ確かめられたら、基本的にはしっかりしたスタッフに任せてしまいたい。素直に「わかんないんですよね、どんなもんなんですか」と尋ねるばかりだが、道具を巡っては、基本的には無難さと安心感を求めている私である。


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