ユニバーシアード代表選手選考会


男子の50mは、選考会ではよく採られる方法であるが、伏射60発に引き続いて立射40発と膝射40発の変則で140発を撃ち、三姿勢と伏射を同時に競う。


東京から明け方4時過ぎから車を走らせてやってきたSさんの車に乗せてもらって、会場に駆けつけたが、すでに地元の役員の方々が受付や検査の作業をてきぱきと始められていて、お手伝いできることはほとんどなかった。


今日は、男子が先に50m、女子は10mから、というプログラムになっていた。
開始早々から、冴えない男子の50m伏射に少し頭を抱える。
エントリー表を見ると、女子は50mのエントリーがずいぶん少ない。10mの方は、レベルの底上げが図られているが、あと一歩のところに団子状に詰まっている観がある。
午後の様子を見ていると、男子は10mも今ひとつのようである。


ナショナルチーム員に選ばれている選手たちに先に「内定」が出ているのが、今回の選考の特徴なのだけれど、そのメンバーがほとんどエントリーしていないのが気がかりだった。これには少し疑問もある。遠征中だとか、調整のための合宿や試合が別にふんだんにあるから、というならわかるが、現在の大会スケジュールやそこへのエントリー状況からいえば、調整用でもいいからこの試合を利用させればいいのに、と思う。
たとえそのメンバーの結果が悪くとも、そのことでいったん掲げた選考ルールを云々することはしないし、もとよりそういうルールを提示した段階で、本番までの仕上げ方は「内定」組と「選考会突破」組では全く異なって当たり前だ。それよりは、「立場は違えど、同じ選考会に出ていた」ということが、遠征チームを組織したときに重要になってくる。


初日の結果だが、プロジェクトでながらく見てきたIくんとKさんがいずれも10mでトップをとった。
Kさんは、今回の選考会では全く期待されていなかったから、Sさんや私たちでやってきたことを再び裏付けられる思いがして、若干痛快だった。


試合を見ながら、久しぶりにMさんとゆっくり話すことができた。トップチームや遠征での様子などは、現場にいないとわからないことがいろいろある。私は、はまっているポジションだけはなんだか大層だけれど、情報面では「蚊帳の外」に近いので、状況を知る貴重な機会である。
Mさんのチームは、宮城の高校からも選手を何人か取っていて、幸いみな無事だったものの、被災して休部・休学を余儀なくされている学生がやはりいるということだった。卒業式が中止になってしまった4年生のために、部で送別会を開いたそうで、そのときに聞いた被災学生による震災時の話には、改めてその状況の厳しさを思わされた。


震災を巡っての対応は、大学ごとにばらばらのようで、新学期を5月からに繰り下げるところも、そうでないところもあるようだ。
早稲田は新学期の繰り下げ以外は特に部の活動に変化はない、といい、中央などはそれもなくて、4月からこれまで通り新学期が始まっているらしい。その一方で明治は、5月繰り下げのGW返上というスケジュール変更の上、指導者監督の下でなければクラブ活動は認めない、ということになっていて不自由している、という。


最近の国際大会での様子についてもたくさん話を伺って、いろいろ考えさせられた。


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