学生選抜大会と代表選手選考


この2日間、地元で学生の全国大会があった。
この9月にポーランドで開催される、射撃の世界大学選手権代表選考会を兼ねている関係で、二日間とも様子を見に行くことになった。


一昨年の北京大会前は、監督の重責に気の休まる間もない感じであったけれど、その役は今回Iくんに無事譲ることができた。選考について意見を述べることと、Iくん・Aさんの今回中心になる人たちの応援が私のおもな役割である。


ナショナルチームの制度が変わったことが大きいのだけれど、「選考会−強化合宿−遠征」という流れだけに集中して、それをどう有効にするか考えるだけでよかった一昨年とは、状況がいろいろと変わっていて、なかなか難しい。
選考会前に連れて行かなければならない選手が半数近く他所で決められていたり、試合結果と選考結果の間にいろいろあらかじめ細かいルールが定められていたりしている。
試合の状況をつぶさに観て、どの選手を連れて行くべきかを考えたり、チーム編成に監督のカラーを発揮したり、といった余地がほとんどなく、細かいルールがそれを妨げている観すらある。
こちらとしては、チームとして有効な組み合わせになる、いくつかのパターンがあらかじめ見えてしまうため、勝って欲しい選手の後ろで、ただ情けなくハラハラする、というようなことになってしまった。


4名しか連れて行けない条件の下で、3種目の団体を編成するとなれば、単純に試合結果の上から選手を集める、ということではうまくはいかない。連れて行ってもらえないことになる選手やその所属チームからの不満を受け止める労力はたしかに重いものではあるけれど、それをかわすためのがんじがらめの条文作りに逃げ込むのではなく、しっかりそれを受け止め、その矢面に立たされる監督を後ろから支える委員会なり連盟でなくてはならないと思う。


雨こそ降ったものの、たいして風も吹かず、いいコンディションだった。しかし、試合結果はいまひとつ冴えないものになった。こうなると、「試合結果至上主義」的な選考要領は、逆に妨げになってしまい、代表チームの編成は、若干危惧していたとおり、縛りに翻弄されて思うに任せないという印象になった。
柱になりそうだ、と事前から目していた選手たちから、結果を出す者が現れたおかげで、なんとか「らしい」編成に漕ぎ着ける。
今後にいろいろと宿題を残したなと感じる。


チームはここからが大変である。
9月の本番まで、時間はあまりないが、パスポートの申請から必要な選手もいる。
スタッフの「応援団」として、前回の経験を生かしてお手伝いができたら、と思っている。


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