たんじょうび

ケーキと



娘が2歳になる。
少し早いのだけれど、一番近い週末だから、ということで今日、祝うことにした。


両方の実家から両親が集まってくれるとあって、きちんと準備をしたいけれど、前夜もそれぞれにいつもと変わらない忙しさだった。
帰宅途上で相方に頼まれて、閉店間際の食品スーパーに駆け込んで、ケーキやサラダを作るのに足りないものを買って帰ったりした。


朝はいつものように起きて、私が洗濯物や部屋を片付けていると、相方はケーキ作りに取り掛かった。
もう絵本でばっちり予行演習を繰り返して、「もうすぐ2歳」なんて言うくらいになっている娘は、今日は「お誕生日会をするよ」と言うと、それっとばかりにモードが切り替わって、はしゃいだ。
台所が娘には刺激的過ぎて、どうにも相方がやりにくくなるので、ある程度準備が進むまでは、私が部屋に引き取って一緒に遊んですごす。


やがて、相方の母が作った料理のいくつかとともに、私の母は炊いた赤飯とともにやって来た。
おじいちゃん、おばあちゃんの登場に、娘の喜びはさらに高まった。
食卓には、焼き魚、サラダ、煮物、チヂミ、赤飯、澄まし汁が並んだ。


お祝いの食卓で、娘はいつも以上に黙々と、しかしとても嬉しそうに食べた。


食後、プレゼントがそれぞれのおばあちゃんから渡された。
相方の母からは懐かしい、小豆の入った手作りのお手玉。私の母からは「ぐりとぐらのえんそく」。相方の父からも、折り紙のセットが贈られた。大型絵本 ぐりとぐらのえんそく (こどものとも劇場)


食事だけで相当な量を食べたので、この上さらにケーキなんか食べても大丈夫かな、と思ったけれど、切り分けたケーキを見ると、一番大きそうなのを指差してこれまたうれしそうに食べた。


これで幾度目かになる「マクロビ」ケーキは、スポンジにようやく軽さが出てきて、なかなかおいしかった。
最後の牛乳まで飲み干した瞬間に、「おなかいたい」とつぶやいたので、心配したけれど、お腹周りをゆるめて、一緒に布団に寝転がると、あっというまに寝息を立てた。


親たちとお茶を飲みながら、ゆっくりと娘や姪っ子甥っ子たちの話をして昼下がりを過ごした。
こんな時を迎え、過ごすことができるのはありがたいことだとしみじみと思った。


[fin]