西日本選手権・第2日目


ここ数年すっかり「本命種目」となった10mS60M。


年頭に、この大会で出すべき得点の目標があったのだが、それは望むべくもない準備しかできなかった。
しかし、いまできる最善のパフォーマンスとなるよう、その日にできる準備だけは精一杯やって試合に臨んだ。


開始早々1シリーズ目で、銃口の動きと撃発が完全に「OK」のパフォーマンスで、2発続けて同じ左9.5に外れた。
以前から、失点のパターンとしては中心的なものだったのだが、何となく気にする、という程度で留まっていた。
2発同じことが続いたことで、はっきりと「問題」として自覚させられ、放置できなくなった。


試合の最中に、それはどうなんだ、という向きもあろうが、長期的にみれば「幸い」といえるだろうと結論して、考えながら撃つことにする。


おそらく照準に問題が潜んでいる。
頬付けのスタイルを、もう少し高い水準で均一にする必要が、まずある。
首の方向が、自由度なく行える様式を模索する。
銃の引き付けの動作と連動して、首の向きを絞る動作を挟んでみる。
同時に、首と右腕に入る力を、いかに意識のコントロール下で適正なレベルに下げるか、が大事になりそうである。
ものはついでと、伏射で気がついた、肩甲骨のポジションについてのこれまでの誤解を、立射でも同じように解いてみると、右腕の捌きや脱力がうまくいく。


2シリーズ目はそんな試行錯誤に注意が行って、パフォーマンス自体への集中を欠き、96まで落としてしまったが、3シリーズからは、ひとつのスタイルにまとまって、ようやく軌道に乗った。


満射、満射とは残念ながらいかなかったが、照準に起因していたと思われる、件の失点のパターンは影を潜めた。
終わってみれば、またか、の587。


しかしまあ、よく踏みとどまった、とも言えるのだろう。
ひとつの問題を解決する糸口を得ながら、この結果なら、良しとせねばなるまい。
順位も2位に収まって、なんとか面目も保つ結果となった。


今日、おまけ、として解決した肩甲骨の処理が、実は大きな一歩となるかも知れない、という手応えを感じている。
後で振り返って、大きな一歩と感じることになるかもしれない。


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